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クローズド・ノート [雑記]

クローズド・ノート

クローズド・ノート

  • 作者: 雫井 脩介
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/01/31
  • メディア: 単行本

作者:雫井 脩介

<あらすじ>
引っ越した部屋のクローゼットでみつけたノート。
使用した形跡があったので、他人の秘密を覗くような気がしてそのままにしておいたのだけど
ある日思い切って読んでみることに・・・。
そこには小学生の先生である1人の女性の日々が綴られていた。
仕事のこと、子供達に対する思いから始まり、途中からは1人の男性に対する思いまで・・・。
読み進めるにしたがってどんどん筆者の思いに自らの思いが重なり、ついには日常に変化が
訪れる。

<感想>
以前に読んだ「犯人に告ぐ」的なものとは大きく異なっている作品でした。
他人の書いたものってちょっと興味があるのは多くの人が経験ある感情だと思います。
(実際に見るか見ないかは別として)
Blogが流行っていたりする要因もそんな気持ちからきているのでは?
全体的には優しく心に沁み込むような感じのストーリーになっていますが、こういう話って読み
手が受け入れ態勢になっていないと沁み込んでこないものなのかな?という印象を持ちました。
いい話ではあっても沁みてこない。
それは気持ちが凝っているからなのでしょうか?
もっと揉み解して、受け入れ態勢万全な状態でいつか再TRYしてみようと思います。


孤宿の人 上 [感想]

孤宿の人 上

孤宿の人 上

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 新人物往来社
  • 発売日: 2005/06/21
  • メディア: 単行本

作者:宮部みゆき

<あらすじ>
海と山に囲まれた四国の丸山藩。
ここに江戸から流れついた少女・ほう。
阿呆のほうからとったといわれる名前からしても少女の生まれが幸せでなかったことを伺わせる。
そんなほうが、匙(医者)の井上家に奉公人として住まえることになり、幸せな日々を過ごしてい
たが、この丸山藩は近々江戸からの罪人を預かることになりざわついていた。
罪人ながらも、元・勘定奉行という重役にあったことから丸山藩では扱いに頭を悩ませ、下々の
者には加賀様と呼ばせることを課した。だが、他にも頭を悩ませることがあった。
それは加賀様の所業があまりに恐ろしかったため、江戸では鬼と呼ばれていて、その鬼がこの
丸山藩によくないものを運んでくるのではないかということに人々が怯えていることだった。
そんな最中に、井上家の娘が死んだ。それ以降起こる病や生死に関わることが起こるたび、人々
は「加賀様の所業だ」と噂する。
そして丸山藩入りした加賀様の幽閉先で働いていた女中が死んだ。その後任に選ばれたのが
ほうだった。

<感想>
宮部先生の作品では登場人物が多く、夫々の思惑、ストーリーが同時に展開していくので一見
複雑に感じるかもしれんませんが最後にはパズルのピースがピッタリはまるように、きっちり1つ
にまとまるのが素晴らしいです。
宮部先生は現代物も面白いのですが、時代物があまり好きでない人にも読みやすいライト感覚
な時代物が十八番だと思います。
「悲しいお話なのですが、悲しいだけではない作品にしたいと思って書きあげました」
という宮部先生がおっしゃってるこの作品の下巻が楽しみです。


天使のナイフ [感想]

天使のナイフ

天使のナイフ

  • 作者: 薬丸 岳
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/08
  • メディア: 単行本

作者:薬丸 岳

<あらすじ>
不条理な理由で最愛の妻を奪われた桧山貴志。
4つになる愛娘との父子家庭もようやく何とかなり始めた頃、桧山の店の近くで事件が起こる。
その被害者は妻を殺した少年Bだった。
そして次は少年Cが殺されそうになる。
偶然なのか?それとも桧山が復讐を始めたのか?
少年法によって守られた者、やり場のない想いを抱えたまま生きていく者、それによって起こ
った第二の犯罪を描く。

<感想>
何事においてもそうなんですが、物事には両面があります。
未成熟ゆえ事件を起こしてしまった少年を罰するより更正させるという目的の少年法は加害者
となった少年においてはやり直せるチャンスをもらえる一方で被害者となった人やその家族に
とってはやり場のない思いを飲み込むことを強要するものです。
その想いを察することなど第三者にはとうていできないものでしょう。
あくまで小説ですが、それでも小説だからと思わずに安易な理由や行動から、自分の家族や
大切な人を奪われることの悲しみ・苦しみを1人でも多くの少年に限らず多くの人に感じてもら
うきっかけになる本ではないでしょうか?


青山娼館 [感想]

青山娼館

青山娼館

  • 作者: 小池 真理子
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/01/31
  • メディア: 単行本

作家:小池真理子

<あらすじ>
不慮の事故で子供を亡くした32歳・シングルマザー奈月。
生きがいだった子供を亡くして失意のどん底に落ちた。
這い上がる手段として奈月が選んだのは親友・麻木子が働いている秘密裏の高級娼館で
働くことだった。
だがその麻木子と共に働くことは叶わず、またしても奈月は大切な人を失ってしまう。

<感想>
タイトルからするとさぞ官能的な小説かと思われるかもしれませんが、そうではないです。
勿論、舞台が舞台だけにそういうシーンもありますが、愛娘を失って失意のどん底に落ちて
しまった奈月を優しく見守ってくれた麻木子のお陰で徐々に立ち直りつつはあったけれど、
乾ききってしまった心を潤すには人肌が必要だと思った奈月は愛情のない触れ合いを求め
娼館に勤めることに・・・。
愛さないからこそ「体を売れる」=ビジネスとしてやっていける。
「娼婦」を職業として描いた作品です。


キタイ [感想]

キタイ

キタイ

  • 作者: 吉来 駿作
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2006/01
  • メディア: 単行本

作者:吉来駿作

<あらすじ>
「死んだものを生き返らせることができる」と葛西は言った。
「そんなことあるはずがない」と言う仲間達に証明してみせると言い、その手段として
将軍の飼い犬だと思われるマサオを殺すことになった。
「もし、マサオが生き返らなければ俺が死ぬ」という約束をして・・・。
だが事件に巻き込まれた葛西は今際の際に、深町に頼んだ。
「あの夜のように、おれを埋めてくれ」
葛西の希望を実行してから、仲間達に次々と異変が起こる。
そして18年後、事態は動き出す。

<感想>
怖くて、気持ち悪いです。
希望を叶えた仲間達に復讐をしている理由が今ひとつわからないのですが・・・。
「永遠に生き続ける」とはどういうことか?単純には不老不死。現状のまま年を取ら
ず死なないということだと思うのですが、生まれ変わり続けることによって永遠を手に
入れるという考え方もあるんですね。
この作品はデビュー作らしいので、次作が楽しみです。


讃歌 [感想]

讃歌

讃歌

  • 作者: 篠田 節子
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞社
  • 発売日: 2006/01/12
  • メディア: 単行本

作家:篠田 節子

<あらすじ>
テレビディレクターをしている小野は仕事で出会ったクラシック専門レーベル社長より熱心に勧
められて訪れたヒーリングミュージックのコンサート。
会場は教会の礼拝堂で、耳に馴染んだアニメ主題歌やCM曲を聴いていた。
そして「シューベルト アルペジオーネソナタ」を聴くと涙がこぼれた。
クラッシックで泣くなんて・・・!
まだCDすら発売されていない彼女のビオラをもっと多くの人に聴かせたいという思いから小野
はビオラ奏者・柳原園子のドキュメンタリー番組を製作。
そして柳原園子は一気にメジャーになっていくが、それに伴って「ひずみ」がでてくる。
篠田節子「讃歌」インタビュー

<感想>
耳でしか感じられないと思われる「音」をこんなに巧に表現できる作家は篠田センセしかいな
いと私は思ってます。
この作品を読んで感動するってどういうことだろう?と思いました。
本物であれば人を感想させることができるというのを聞きますが、本物って素人にもわかるも
のなんでしょうか?
専門家が「これはテクニックでごまかしてる」というものでも、受ける側がそれで感動できれば
いいんじゃないかなぁ?1人1人が別の人間なんだから感動する要因も其々が異なると思う。
みんながこのレベルで感動できなきゃいけないなんてものはないと思うから・・・。
流行に左右されるばかりでなく、自分の基準というものをもっと確立したいと思った作品です。





プロセス・アイ [感想]

プロセス・アイ

プロセス・アイ

  • 作者: 茂木 健一郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2006/01
  • メディア: 単行本

作者:茂木 健一郎

<あらすじ>
哲学から離れ、グンジは独自の新経済理論「スペラティヴ」を使い、上海で金融ブローカーとして
名を馳せ、巨万の富を得る。
人間の意識のメカニズムを解く「プロセス・アイ」理論を考案した若き天才科学者・カワバタ。
日本人でありながら、舞台は日本以外の海外で二人は出会う。
グンジとカワバタの出会いは偶然なのか必然なのか?
資金と才能が揃ったために、2人は神の領域に踏み込もうとしていた。

<感想>
TV『世界一受けたい授業』講師で「頭を良くするアハ体験」っを提唱している脳科学者、茂木健
一郎先生をご存知ですか?
実は茂木先生は、「脳と仮想」という著書にて優れたノンフィクションに送られる小林秀雄賞を受
賞されているんです。この茂木先生が専門分野を生かした近未来ファンタジーを書かれたと知
り、興味を持ちました。
脳のメカニズムとかって難しそうで、通常の私なら近づかないのですが、TVの「アハ体験」を見
たカンジ、この先生だったら難しいこともわかりやすく伝えてくれるのではないか?と思い読んで
みました。
まぁ、専門的なコトはもっと時間をかけて数回読み直さないと私には理解できそうにないんです
が、それでも全体的なストーリーがちゃんと用意されているので挫折することなく、読破すること
ができました。
興味はあるけど、難しいことはちょっと・・・という理由だけなら敬遠せずチャレンジしてみて下さ
い。


雪屋のロッスさん [感想]

雪屋のロッスさん

雪屋のロッスさん

  • 作者: いしい しんじ
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2006/02
  • メディア: 単行本

作者:いしい しんじ

<あらすじ>
雪を降らせる仕事のロッスさん、風呂屋の島田夫妻、果物屋のたつ子さん等々。
普通なんだけど、ちょっとだけ不思議感のある人や、出来事などが綴られたふんわりあったかい
30篇の短編集。

<感想>
とても平凡なことのようで、ちょっとだけ違った箇所があったかい。
だけど、それはすごく不思議なことではないから自然と受け入れることができる。
案外、気づいていないだけで本当は身の回りに起こっている出来事なのかも??
癒されたい気分の方にはちょっとオススメいたします。


蒲公英草紙-常野物語- [感想]

蒲公英草紙―常野物語

蒲公英草紙―常野物語

  • 作者: 恩田 陸
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2005/06
  • メディア: 単行本

作者:恩田 陸

<あらすじ>
東北地方のとある村の大地主である槙村の娘・聡子は体が弱く、ほとんど家から出ることができない。
その聡子の話し相手となるべく主治医の娘・峰子は、お屋敷に通うことになった。
お屋敷には聡子の兄弟達や主の客人達がいたが、ほどなく新しい客人一家が滞在することになる。
この一家は不思議な能力を持った一族で、通称<常野>と言われていた。
この一族と槙村家・村とは遠い昔からの関わりがあり、当時交わされた約束が果たされる。

<感想>
「光の帝国」に続く常野シリーズでありながら、メインは常野ではなく聡子です。
ただ、槙村家にも常野の血が入っていたので、それからいえばやっぱり常野がメインということになる
んでしょうか。
20世紀初頭という時代、それぞれが将来に希望を持って生きていた。
なんでもありでイマイチ将来を描きにくくなってしまった現代に比べると個人々が輝いていた時代なの
かもしれない。だからなんだか懐かしさを覚えさせるのかも?
そして語り手である峰子の聡子に対する想いが切なさをカンジさせる作品です。
シリーズということで公式HPを発見しましたのでリンクしときます。

常野だより


アコギなのかリッパなのか [感想]

アコギなのかリッパなのか

アコギなのかリッパなのか

  • 作者: 畠中 恵
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2006/01/14
  • メディア: 単行本

作者:畠中恵

<あらすじ>
元不良・元暴走族の経歴を持つ佐倉聖(21)は元大物政治家・大堂剛の経営する「アキラ」
という会社の事務員をしながら大学に通っている勤労学生で中学生の腹違いの弟の保護者
でもある。
事務員をいう名目ではあるが、聖の実際の仕事は大堂のお守り兼大堂の弟子である若手
議員達が持ち込んでくる様々な問題を解決すべく奔走している。
ある時は議員選挙事務所への手伝いだったり、飼い猫の毛の色が変わるという変事の真相
を探ったり、弟子議員の地元で起こった事件の解明等々・・・。
本来の仕事とは関係ないと思いつつも、臨時ボーナスをチラつかされると中学生を養っている
物入りの身には拒むこともできず、雑務に勤しむのである。

<感想>
政治家が登場するわりにはライトなタッチで描かれているので、気楽に読めるという点では
マンガに近い作品だと思います。
主人公が21歳と若いことも手伝ってか、政治的なハナシはほとんど描かれていないので
そういう先入観は持たないで読んだほうがイイです。
聖は無事大学を卒業し、ごくごく普通のサラリーマンになるのが希望なのですが、周囲が
果たしてそれを認めてくれるのか?聖の行く末が気になるので続編がでたらいいな(^^)


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